音楽に寄せて Stanzas for Music :バイロン

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バイロンの詩「音楽に寄せて」 Stanzas for Music を読む。(壺齋散人訳) 

  美の女神の娘たちのなかでも
  お前ほど魅惑的なものはない
  お前のその甘い声は
  水が奏でる音楽のようだ
  その声にうっとりとして
  大海原も静まりかえり
  波はきらりと閃光を発し
  風は気持ちよく夢見るようだ

  空高くかかった月が
  地上の暗闇を照らし出し
  すべてが眠る子どものように
  穏やかな息遣いに胸打つとき
  妖精もお前に挨拶し
  お前の声を聞こうとする
  そして夏の海のように
  高鳴る情緒にうっとりするのだ

バイロンには、音楽をテーマにした詩がいくつかあるが、これはその中でもっとも有名なもので、1816年に書かれた。冒頭の部分から、読者は音楽の女神を連想するが、女神の姿は現れず、その声だけが詩の世界にこだましている。


Stanzas for Music - Lord Byron

  THERE be none of Beauty's daughters
  With a magic like thee;
  And like music on the waters
   Is thy sweet voice to me:
  When, as if its sound were causing
  The charmed ocean's pausing,
  The waves lie still and gleaming,
  And the lull'd winds seem dreaming:

  And the midnight moon is weaving
   Her bright chain o'er the deep,
  Whose breast is gently heaving
  As an infant's asleep:
  So the spirit bows before thee
  To listen and adore thee;
  With a full but soft emotion,
  Like the swell of summer's ocean


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