「日ロ間で戦争状態を終結させるための平和条約を締結することはもちろん好ましいことだが、たとえ平和条約が締結されなくとも、両国間の友好的な経済的・人的交流を深めることは可能だ」ロシアの副大統領セルゲイ・イワーノフのこんな発言を、ジャパン・タイムズが紹介している。
「日ロ間にはいかなる領土問題も存在しないというのが、我々の立場だ」イワーノフはこう付け加え、今後ロシアが日本との間で、北方諸島の領有権をめぐって話し合うことはないとの展望も語った。
「先日の私の南クリール訪問について、日本からわめき声が聞こえてきたのは全く心外だった」イワーノフはこう続ける。「日本人は何故今回だけ、あんな過剰反応をしたのか。わたしは2007年と2009年にも南クリールを訪問したが、そのときには日本人は何も言わなかったではないか。第一、私は誰かを怒らせたり警戒させるのが目的で、南クリールにいったわけではない。この地域を発展させたいという純粋に平和的な目的で訪れただけだ」
日本人はナンセンスな主張を続けて両国間の関係を気まずいものにするより、両国間の経済的な相互関係の深まりを通じて、互恵的な発展が図られるよう努めたほうがずっと現実的だ。
国内事情があって、平和条約が結べないというのであれば、なにもそんなものにこだわる必要はない。領土問題を棚上げして、平和な関係を築くことは十分に可能だ。
イワーノフのいいたいことは、どうもこういうことのようだ。(写真はAFPから)
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