人間の科学


ネアンデルタール人は、ホモ・サピエンスと共通の祖先から生まれた。だから我々の直接の先祖たる古代の人類にとっては、兄弟に当たる種だとするのが今日の通説である。

チンパンジーとともに類人猿から枝分かれした最初の頃の人類が、主に何を食べていたのかについては、これまでよくわかっていなかった。カリフォルニア大学の研究チームは、アイソトープ技術を応用して、彼らが球根や根茎などの地下の植物を掘り出して食べていたと推論している。

ジェーン・グドール Jane Goodall 女史は、今日におけるチンパンジー研究の礎石を築いた人である。チンパンジーは、地球上に棲息する動物の中で、人類に最も近い種だ。彼らはある面では人間並の、時には人間以上の能力を持っている。そんなチンパンジーの持つ能力の全貌が、次第に解明されつつある。

生殖にかかわる行動は、種の保存にとって最も根源的なことであるから、あらゆる動物に本能という形でビルトインされている。人間はそれを性欲という言葉で表現し、人間性の奥に潜む抑えがたい衝動として理解してきた。

この世に生まれてくる人間の子どのもうち、女子より男子のほうが割合が多いことはよく知られている。男子は女子に比較して、幼児期の死亡率が高いために、その埋め合わせをするかのように、自然が巧妙な仕掛けをしたのだろう。ところが近年、その男女間比率の差が次第に縮小する傾向が見られるという。Male Births declining in the US and Japan By Amy Norton : Reuter

物質文明にどっぷりつかった人々の中にも、前世の記憶を有し、自分はナポレオンの生まれ変わりだなどと、信じている人はいるものだ。

精神医学には二つの流れがあって、互いに牽制しあってきた歴史がある。一つは精神の失調の原因を人間関係に求めるもので、これは他者とのかかわり方の失敗が様々な精神症状を引き起こすという考え方に立っている。もう一つは、能の神経組織に原因を求めるもので、遺伝或は何らかの外圧によって脳内に異常が生じた結果精神症状が現れるとする見解である。

アメリカの著名な脳科学者でセックス不全治療の権威でもあるダニエル・アメン博士が、脳がセックスに及ぼす影響を研究した成果「脳でセックス」を出版した。これは、ベター・セックスにとって、健全な脳を持つことが如何に大事かを論証したものである。

幻聴や幻視など幻覚と呼ばれるものは、かつては精神病理的現象とりわけ分裂病(統合失調症)に特徴的な症状であるとされていた。だが、今日においては、うつ病患者、躁病患者、癲癇質者にも幻聴はみられ、普通の人にもおきることがわかっている。なかには、15年、20年と幻聴に苦しみながら、それ以外に精神病理現象の見られない人々が多数いることもわかってきた。

アメリカでは今、癌の話題でもちきりのようだ。有力メディアはどこも、癌の特集記事をトップ扱いで掲載している。というのも、民主党元上院議員で大統領選の有力候補者エドワーズ氏が、妻の乳癌が再発したことを公表し、それに国民全体が深い関心を示したからだ。

「うつ」は長い間女性に特有の精神症状であると考えられてきた。それは子宮を持つ者の宿命であり、思春期、出産、閉経と、節目ごとに変動するホルモンのバランスが失調に陥ったとき、女性を苦しめるのだと考えられた。

先稿「遺伝子が語る人類の進化」において、我々現代の地球人の直接の祖先は、89,000年前のアフリカの草原に、少なくとも4,000人いたということを確認した。彼らが言語を話していたか、その前提としてシンボルを操る高度な精神的能力を有していたかについては、詳細はわかっていない。だがその可能性は高いと思われる。

人類学者たちは、骨の化石を頼りに人類の進化を推測してきた。その結果わかったことを、聖書の表現を用いてあらわすと、チンパンジーと人類の共通の親から、まずアウストラロピテクスが生まれ、アウストラロピテクスはホモ・ハビリスを生み、ホモ・ハビリスはホモ・エレクトゥスを生み、ホモ・エレクトゥスから我々の直接の祖先たるホモ・サピエンスが生まれた。

アメリカではいま、老人たちを対象にした性教育が盛んになっているそうだ。(老人にも安全なセックスを) 

男にも更年期障害というものがあるらしい。女の場合のようなドラスチックな身体的変化という形では現れないが、やはり50を過ぎた頃より、心身にわたり著しい機能低下に悩む男は多く、性欲の減退、勃起不全、消耗感、甚だしきはうつ状態といった症状が現れる。従来は加齢のせいと思われていたこれらの症状が、実は男性ホルモンの失調によるものだと、最近の研究で徐々にわかってきたらしいのである。

絞首刑の最中に首がちぎれ飛ぶこともあると聞き、驚いた。イラクで起きたことだ。昨年暮のサダム・フセインの処刑に続き、昨日(1月15日)は更に二人、前政権時代の高官が絞首刑に付されたが、その際、サダム・フセインの異父弟で秘密警察長官だったバルザン・イブラヒムの首が、吊るされた直後にちぎれ、頭部と胴体が分離してしまったというのである。

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