コスモス(秋桜):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
コスモスは秋桜とも表示されて、日本の秋にはなくてならないほど身近な花になった。だが原産地はメキシコの高原地帯で、日本に伝わったのは明治以降のことに過ぎない。生命力が強く、やせた土地にも生えるので、日本古来の草花をおしのけて繁茂しているほどだ。
コスモス(秋桜):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
コスモスは秋桜とも表示されて、日本の秋にはなくてならないほど身近な花になった。だが原産地はメキシコの高原地帯で、日本に伝わったのは明治以降のことに過ぎない。生命力が強く、やせた土地にも生えるので、日本古来の草花をおしのけて繁茂しているほどだ。
リンドウ(竜胆):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
リンドウといえば、筆者の若い頃に、島倉千代子がこの花を歌ったことを覚えている。「リンリン リンドウは濃紫」と歌詞にあるとおり、日本のリンドウは濃い紫色をしており、しかもあまり開かないのが多い。かつては秋を感じさせる花の代表格で、山谷は無論田畑でもよく見かけたものだが、今では野生のリンドウを見かけるのは、山の中くらいだろう。
ホトトギス(杜鵑草):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
ホトトギス(杜鵑草)は日本の山野ではよく見られる花だ。山道を歩いていると、雑草の茂みの一角に細長く伸びた茎の先に、ラッパ上の花を上向きに咲かせている姿をよく見かける。
アマリリス:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
アマリリスは、5月から6月にかけて、まっすぐに延びた茎の先に、ユリに似たラッパ状の花を二つないし四つ咲かせる。名前からしてあでやかさを感じさせる。ヴェルギリウスの詩に出てくる乙女の名前からつけられたのだそうだ。花言葉には、誇り、内気などがあてられるが、それは乙女の気質を表わしていたのだろうか。
芙蓉:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
芙蓉は葵の仲間で、タチアオイやムクゲとよく似た花を咲かせる。ハイビスカスも同属である。草本性のものと木立するものとがあるが、木立するものはモクフヨウと呼ぶ場合もある。
サンパラソル:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
サンパラソルという名のこの変わった花は、キョウチクトウの仲間に属するマンデビラの一種なのだそうだ。日本の種苗会社が開発したという。マンデビラ Mandevilla とはつる性の植物で、メキシコ以南の中年米に自生している。日本ではチリソケイ属に分類されているが、あまり馴染みがないためもあって、もっぱらマンデビラの名が流通している。
ヒツジグサ(未草):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
ヒツジグサは日本の山野の沼沢に自生する睡蓮の野生種である。その分布は日本のほぼ全土に渉るという。6月頃から11月頃まで長い間裂き続ける。一般に睡蓮と呼ばれているものが、夏の暑いさなかにしか咲かないのにくらべると、これは花季が非常に長い。
トレニア:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
トレニアは和名をハナウリクサあるいはナツスミレという。沖縄に自生しているツルウリクサの仲間であるが、ツルウリクサのほうは絶滅の危機に瀕しているという。
ペチュニア:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
ペチュニアは日本人には人気のある花だ。花びらの一つ一つは小ぶりだが、色が鮮やかで、密集して咲く性質を持っているので、花壇に植えても、プランターや鉢に植えても、目に映えて美しい。しかも花季は非常に長く、手入れさえ怠らなければ、初夏から秋まで咲き続ける。
八代草(やつしろそう):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
今年(2008年)の夏に会津の大内宿を訪ねた折に、濃い青紫色に咲いた花を見かけて、しばらくその場に立ち止まり、花の風情を見入り続けたことがあった。花の足元には短冊がさしてあり、それには「八代草:リンドウ科」と記してある。
ギボウシ(擬宝珠):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
ギボウシ(擬宝珠)はユリ科の多年草である。東アジア原産で、日本でも山間の湿地帯に自生している。江戸時代に園芸品種として改良され、一般の家の庭でも育てられるようになった。これをシーボルトがオランダに持ち帰り、それをきっかけに欧米でも普及した。英語では Plantain Lily と呼んでいる。
ナツツバキ(別名・沙羅の木):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
ナツツバキ(夏椿)は、その名のとおり、夏(梅雨時)に椿に似た白い花を咲かせる。分類上もツバキ科に属するが、ヤブツバキや山茶花などとは違って、落葉する。葉は光沢を持たず、しかもやわらかいので、一見するとツバキとは違う種のようにも見える。
ガクアジサイ(額紫陽花):水彩で描く折々の花
アジサイはもともと日本の太平洋岸に自生していたガクアジサイを原種とする。これが中国を経由して西洋に伝わり、今日普通に見るあの丸い形のアジサイになった。だから美しくなって里帰りをした花なのである。
オステオスペルマム:水彩で描く折々の花
オステオスペルマムは別名をアフリカンデージーというように、南アフリカ原産の、キク科の多年草である。オステオスペルマムという名前自体は、osteo (骨)と spermum(精子)を組み合わせたものだが、この花のどこがそんなイメージを呼び起こすのか、筆者にはわからない。
オダマキ(苧環):水彩で描く折々の花
日本に自生するミヤマオダマキは、高山性の山野草である。初夏から夏にかけて、関東地方以北の山に登ると、薄紫色の花弁を下に向けた姿勢で、可憐に咲いているのをあちこちで目にする。
ドクダミ:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
ドクダミは雑草といっていいほどありふれた花なので、こんなものに絵心をそそられるものは、あまりいないかもしれない。しかし近寄ってよく眺めると、赤茶色の茎の先に四弁の白い花びらと、その上にちょこんと乗った黄緑色の粒々が、なんともいえず愛嬌があって面白い。
ナスタチウム:水彩で描く折々の花(壺齋散人訳)
ナスタチウムは、和名をキンレンカ(金蓮花)という。葉が蓮に似ていることからそう名付けられた。金を冠しているのは、原種が黄色の花を咲かせるからだろう。またノウゼンハレン(凌霄葉蓮)とも称される。ノウゼンカズラに似ているからということらしい。
芍薬:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
芍薬はその名が現しているように、古くから漢方の薬草として用いられてきた。乾燥させた根を煎じて服用すると、消炎、鎮痛の効果がある。葛根湯、当帰芍薬散など多くの漢方薬に用いられている。薬用のほか、花の形の美しさも人々に愛され、詩経に芍薬を贈る話があるなど、人間との係わりでは古い歴史を持つ花である。
ノースポール:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
ノースポールはキク科の一年草である。ヨーロッパの原産で、欧米圏ではマーガレットやデージーと並んで菊の花を代表するものだ。日本の菊は大輪で、一厘づつ見事な花を咲かせるが、欧米ではこのように小ぶりで密集して咲く菊が主流である。外見は日本のハルジオンによく似ている。ハルジオン同様雑草のようなたくましさを持っている。
スカビオサ(西洋松虫草):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
スカビオサという名前はラテン語で疥癬 Scabiea を意味するそうだ。疥癬に限らず皮膚病に薬効があるらしい。スカビオサの日本種「松虫草」もやはり皮膚病に効く薬草として用いられてきた。葉を煎じた汁で患部を洗浄すると効果があるといわれる。
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