中国古代の詩


詩経国風:鄭風篇から「褰裳」を読む。(壺齋散人注)

  子惠思我    子 惠にして我を思はば
  褰裳涉溱    裳を褰(かか)げて溱を涉らん
  子不我思    子 我を思はずんば
  豈無他人    豈に他人無からんや
  狂童之狂也且 狂童の狂や

詩経国風:鄭風篇から「狡童」を読む。(壺齋散人注)

  彼狡童兮    彼の狡童
  不與我言兮  我と言(ものい)はず
  維子之故    維(こ)れ子の故に
  使我不能餐兮 我をして餐(くら)ふ能はざらしむ

詩経国風:鄭風篇から「蘀兮」を読む。(壺齋散人注)

  蘀兮蘀兮  蘀(たく)や蘀や
  風其吹女  風其れ女(なんじ)を吹かん
  叔兮伯兮  叔や伯や
  倡予和女  倡(うた)はば予女に和せん

詩経国風:鄭風篇から「女曰雞鳴」を読む。(壺齋散人注)

  女曰雞鳴  女曰ふ雞鳴くと
  士曰昧旦  士曰ふ昧旦なりと
  子興視夜  子興きて夜を視よ
  明星有爛  明星爛たる有らん
  將翱將翔  將(は)た翱(かけ)り將た翔び
  弋鳧與鴈  鳧(ふ)と鴈とを弋(よく)せん

詩経国風:鄭風篇から「遵大路」を読む。(壺齋散人注)

  遵大路兮   大路に遵(したが)って
  摻執子之袪兮 子の袪(たもと)を摻(と)り執る
  無我惡兮   我を惡(にく)むこと無かれ
  不寁故也    故を寁(すみやかにす)てざれ

詩経国風:鄭風篇から「將仲子」を読む。(壺齋散人注)

  將仲子兮  將(こ)ふ仲子
  無踰我里  我が里を踰ゆる無かれ
  無折我樹杞 我が樹ゑし杞を折ること無かれ
  豈敢愛之  豈に敢へて之を愛(お)しまんや

詩経国風:王風篇から「君子于役」を読む。(壺齋散人注)

  君子于役  君子役に于(ゆ)く
  不知其期  其の期を知らず
  曷至哉   曷(いつ)か至らんや

詩経国風:王風篇から「黍離」を読む。(壺齋散人注)

  彼黍離離  彼の黍離離たり
  彼稷之苗  彼の稷の苗
  行邁靡靡  行き邁くこと靡靡たり
  中心搖搖  中心搖搖たり

詩経国風:衛風篇から「木瓜」を読む。(壺齋散人注)

  投我以木瓜  我に投ずるに木瓜を以てす
  報之以瓊琚  之に報ゆるに瓊琚を以てす
  匪報也     報ゆるに匪ざる也
  永以為好也  永く以て好みを為さんとする也

詩経国風:衛風篇から「有狐」を読む。(壺齋散人注)

  有狐綏綏  狐有り綏綏(すいすい)たり
  在彼淇梁  彼の淇の梁(はし)に在り 
  心之憂矣  心之(こ)れ憂ふ
  之子無裳  かの子裳(もすそ)無からん

詩経国風:衛風篇から「伯兮」を読む。(壺齋散人注)

  伯兮朅兮  伯の朅(けつ)なるや
  邦之桀兮  邦の桀なり
  伯也執殳  伯や殳(ほこ)を執りて
  為王前驅  王の為に前驅す

詩経国風:衛風篇から「河廣」を読む。(壺齋散人注)

  誰謂河廣  誰か謂ふ河廣しと
  一葦杭之  一葦もて之を杭(わた)らん
  誰謂宋遠  誰か謂ふ宋遠しと
  跂予望之  跂(つまだ)って予(われ)之を望まん

詩経国風:鄘風篇から相鼠を読む。(壺齋散人注)

  相鼠有皮  鼠を相(み)るに皮有り
  人而無儀  人にして儀無し
  人而無儀  人にして儀無くんば
  不死何為  死せずして何をか為さんや

詩経国風:衛風篇から「氓」を読む。(壺齋散人注)

  氓之蚩蚩  氓の蚩蚩(しし)たる
  抱布貿絲  布を抱いて絲を貿(か)ふ
  匪來貿絲  來って絲を貿ふに匪(あら)ず
  來即我謀  來って我に即(つ)いて謀るなり
  送子涉淇  子を送りて淇を涉り
  至於頓丘  頓丘に至る
  匪我愆期  我期を愆(すぐ)すに匪ず
  子無良媒  子に良媒無し
  將子無怒  將(こ)ふ子怒ること無かれ
  秋以為期  秋を以て期と為さん

詩経国風:鄘風篇から「柏舟」を読む。(壺齋散人注)

  汎彼柏舟  汎たる彼の柏舟
  在彼中河  彼の中河に在り
  髧彼兩髦  髧(たん)たる彼の兩髦
  實維我儀  實に維れ我が儀
  之死矢靡它 死に之(いた)るまで矢(ちか)って它靡(な)し
  母也天只  母や天や
  不諒人只  人を諒とせず

詩経国風:邶風篇から「靜女」を読む。(壺齋散人注)

  靜女其姝   靜女 其れ姝(かおよ)し
  俟我於城隅  我を城隅に俟(ま)つ
  愛而不見   愛(かく)れて見えず
  搔首踟躕   首を搔きて踟躕す

詩経国風:邶風篇から「北風」を読む。(壺齋散人注)

  北風其涼  北風其れ涼たり
  雨雪其れ  雨雪其れ雱たり
  惠而好我  惠にして我を好(よみ)するものと
  攜手同行  手を攜へて同行せん
  其虚其邪  其れ虚(ゆる)くせんや 其れ邪(ゆる)めんや
  既亟只且  既に亟(すみやか)ならん

詩経国風:邶風篇から「日月」を読む。(壺齋散人注)

  日居月諸   日や月や
  照臨下土   下土を照臨す
  乃如之人兮  乃ちかくの如き人
  逝不古處   逝(ここ)に古處せず
  胡能有定   胡(なん)ぞ能く定まることあらんや
  寧不我顧   寧(なん)ぞ我を顧りみざるや

詩経国風:邶風篇から「柏舟」を読む。(壺齋散人注)

  汎彼柏舟  汎たる彼の柏舟
  亦汎其流  亦た汎として其れ流る
  耿耿不寐  耿耿として寐ねられず
  如有隱憂  隱憂あるが如し
  微我無酒  我に酒の以て敖(ごう)し
  以敖以遊  以て遊する無きに微(あら)ず

詩経国風:召南篇から「小星」を読む。(壺齋散人注)

  嘒彼小星  嘒(けい)たる彼の小星
  三五在東  三五 東に在り
  肅肅宵征  肅肅として宵(よる)征き
  夙夜在公  夙夜 公に在り
  寔命不同  寔(これ)命同じからざればなり

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