詩人の魂


エディット・ピアフの歌「水に流すわ」Non, Je ne regrette rien:壺齋散人による歌詞の翻訳

  いいえ いいのよ
  後悔なんかしてない
  いろんな ことが あったけど
  水に流すわ
  いいえ いいのよ
  後悔なんかしてない
  すべて水に流して
  気にしないわ

エディット・ピアフの歌「パダム パダム」Padam Padam:壺齋散人による歌詞の翻訳

  いつもわたしにつきまとっている
  この気配はずっと前からのことだわ
  わたしの行くところには必ずいて
  シンフォニーのように鳴り響くの
  ある日わたしは狂いそうになって
  何故なのって何度もいったわ
  でもその気配はわたしをさえぎり
  わたしより先を歩いては
  わたしの言葉を圧倒するのよ

エディット・ピアフのシャンソン「十字架」Les Croix:壺齋散人による歌詞の翻訳

  神様 この世には沢山の十字架があるのですね
  木や鉄の十字架
  なつかしい十字架
  胸元を飾ってる
  小さな銀の十字架
  廃墟の中に捨てられた
  修道女の古い十字架

エディット・ピアフ Edith Piafのシャンソン「日曜日はきらい」Je hais les dimanches:壺齋散人による歌詞の翻訳

  週のうちのどの日も
  うつろで空っぽだわ
  でも最もいやなのは
  日曜日なのよ
  バラ色めかして
  気前よく遊び
  幸せそのもののようだけど
  その振りをしてるだけ

  日曜日はきらい
  日曜日はきらいなの

トリスタン・コルビエールの詩「死のジョーク」 Petit Mort Pour Rire(壺齋散人訳)

  軽やかに流れる帚星は髪の毛も梳かしてくれる!
  風にそよぐ葉っぱが梳かしてほしいとさ
  お前の見開いた目からは火花が散る
  それは馬鹿な頭に閉じ込められてた妖精なのさ

トリスタン・コルビエールの詩「ロンデル」 Rondel(壺齋散人訳)

  真っ暗だぞ 光泥棒!
  もう夜は来ない 昼も来ない
  あいつらが来るのを待ちながら 眠れ
  あいつらはいう 「いつか!」 そして 「いつも!」と

トリスタン・コルビエールの詩「最期」 La Fin(壺齋散人訳)

  まさしくこれらの船乗りども 水夫も船長も
  大海に永遠に飲み込まれるべく
  遠い航路へと呑気に船出したところが
  みな死んでしまったのだ 船出の姿そのままに

トリスタン・コルビエールの詩「忌まわしい眺め」 Paysage Mauvais(壺齋散人訳)

  干からびた骨の砂 -波が弔いの鐘のような音をたて
  ひとつまたひとつとざわめき寄せる
  ―どんよりとした沼地には
  月が虫を飲み込んで 夜が更ける

トリスタン・コルビエールの詩「時報 」Heures (壺齋散人訳)

  泥棒に追い銭
  人殺しに目くばせ
  剣客には手合わせ
  ―どうも俺の心は普通じゃない

  俺はパンプローナの気違いだ
  俺はお月様の哄笑が怖い
  黒いパンくずを抱えたゴキブリめ
  恐ろしや みな燭台の下でうごめいてるぞ

奪回 Rescousse (トリスタン・コルビエール:壺齋散人訳)

  もしも俺のギターが
  音締めの甲斐なく
  いやな音を立て
  インドの匕首

  拷問の吊り鉤
  首吊り台
  びっくり箱のようで
  よろしくないなら

夜のソンネ Sonnet de Nuit (トリスタン・コルビエール:壺齋散人訳)

  けだるそうな十字窓が
  俺の度重なる死に硬直している
  ダイアを嵌め込んだ硝子には
  俺の引っかき傷の跡がある

ガマガエル Le Crapaud (トリスタン・コルビエール:壺齋散人訳)

  歌声が風のない夜に響く
  ―銀色の板のような月
  黒ずんだ緑の葉っぱがなびく

  歌声がこだまのように生き生きと
  草薮から聞こえてくる
  ―静まったぞ やあそこだ闇の中だ

トリスタン・コルビエールの詩集「黄色い愛」から「女の友へ」 A une Camarade(壺齋散人訳)

  この俺に何を求めるのだ? 可愛い女よ
  俺ときてはお前が何より愛しいのだ!
  ―愛かしら? ―見つかるかどうか探してごらん!
  お前が俺を愛するなら 俺だってお前を愛してやる

墓碑銘 ÉPITAPHE :トリスタン・コルビエール詩集「黄色の愛」から(壺齋散人訳)

  熱狂から命を絶った あるいは怠惰で死んだ
  生き続けるとしても忘却のうち 以下はその生前の姿 

  唯一の悔恨は自分自身の主人になれなかったことだ

トリスタン・コルビエール Tristan Corbiere (1845-1875) は全く無名のまま死んだ。彼が生前に出した唯一の詩集「黄色い愛」 Les Amours Jaunes は誰からも注目されることがなかった。そんなトリスタン・コルビエールの詩を始めて世に紹介したのはポール・ヴェルレーヌである。

ギヨーム・アポリネールの詩「星の悲しみ」 Tristesse d'une étoile(壺齋散人訳)

  美しいミネルヴァが僕の頭から生まれた
  血が星となって永遠に僕の頭を飾るのだ
  戦いの女神が僕の頭を武装してくれる
  分別は底のほうに 空はてっぺんにある

アポリネールの詩「鳥は歌う」 Un oiseau chante(壺齋散人訳)

  どこかで鳥の歌声がする
  お前の心が目覚めていて
  兵士たちの間を漂っているのか
  僕の耳に心地よく響く

ギヨーム・アポリネールの詩「はがき」 Carte postale(壺齋散人訳)

  テントの中で君にはがきをしたためている
  外では夏の日が暮れゆき
  青みがかった空には
  まばゆいばかりの花模様がみえる
  それは耳を劈く砲弾が
  束の間に描く模様なのだ

アポリネール詩集「カリグラム」から「雨が降る」 Il pleut (壺齋散人訳)



  女たちの声が雨のように降っている
  思い出の中にさえも
  死んでしまっているかのように

ギヨーム・アポリネールの詩「狩の角笛」 Cors de chasse(壺齋散人訳)

  俺たちの恋愛は気高くも悲劇的
  暴君の仮面をみるようだ
  どんな不思議なドラマも
  どんな些細なことがらも
  俺たちの愛を掻き立てたことはなかった

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