2012年3月アーカイブ

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フラミンゴは大集団を形成し、さまざまな行動を共にすることに特徴があるが、繁殖も一斉に行うので、雛たちも一斉に生まれる。生まれたばかりのヒナは、このように色が白い。彼らの色が次第に赤くなるのは、エビなどの甲殻類を食べるおかげであり、そうしたものを食べないでいると、親鳥の色も白くなってしまう。だからフラミンゴを駆っている施設では、甲殻類を耐えさせないように気を使うそうだ。

横浜、川崎両市の市長が政令指定都市の市長会を代表する形で民主、自民、みんなの党の大都市制度の責任者と会談し、「特別自治市」の実現を要請した。大阪都構想や中京都構想が先行しているなかで、大都市のおける二重行政を解消するものとして、これまでも何度か議論されながら実現してこなかったこの制度を、大都市制度に関する関心が高まっているこの機会に、是非実現させたいとするものだ。

ルソーの処女作である「学問芸術論」は、彼の文明観が劇的な形で表れている作品だ。劇的という意味は、それが読者の理性というよりも、感性に訴えるということを含意している。実際一読してわかるように、この論文は、論理によって構成展開されているというより、直感によってもたらされたアイデアを、隠喩を多用して説明している、あるいは修飾しているにすぎない。

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民主党の野田政権が消費税増税方針を、すったもんだの挙句決定したことにたいして、国民新党の亀井代表は反発し、野田総理大臣との直接会談の席でも連立からの離脱を表明したうえで、国民新党から出している閣僚の自見氏には、閣僚として署名させない方針だと伝えた。

ロベール・デスノス「お利口さんのおとぎ歌」から「ガマガエル(Le Crapaud)」(壺齋散人訳)

  マルヌ川の岸辺に
  一匹のガマガエルがいて
  アカシアの木の下で
  熱い涙を流していました

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印象派のコレクションで知られるパリのオルセー美術館が大規模なリニューアルを行い、その結果、従前にくらべて絵の見え方が格段によくなったそうだ。その様子をNHKが、女優天海祐希さんの案内で、視聴者に紹介していた。(パリと女と名画たち~魅惑の新オルセー)

村上春樹「1Q84」の英訳本が出た時、英米の読者の間で最も関心を読んだのは「猫の町」の挿話だった。ニューヨーク・タイムズはそのファンタスティックな描写に敬意を表し、ニューヨーカーはその部分を掲載したほどだった。

「野田首相、核安保サミットで<つまはじき>」これは日本のメディアではなく、中国の人民網のヘッドラインだ。ソウルで開催された格サミットに出席した野田総理大臣が、存在感を示せなかったことについて、心配してくれているというわけだ。

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今年(2012年)は杜甫生誕1300年にあたる。そういうわけか、杜甫のパロディーが中国のネット上で大ブームになっているという。教科書に紹介されている杜甫の挿絵(上の写真)を材料にして、杜甫に楽器を弾かせたり、馬に乗せたり、中には女の子を抱かせてみたりと、さまざまな仕草をさせることで、杜甫を笑いのネタにしようとするもので、それこそ無数のいたずら書きがネット上を飛び回っているということだ。

元祐4年(1089)3月、蘇軾は浙西路兵馬鈐轄、知杭州軍州事に命じられた。杭州知事兼浙江一帯の軍の司令官といった役職だ。

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仁淀川は、四国一高い石鎚山に源流を発し、土佐市周辺で太平洋に流れ込む、全長124キロメートルの川である。吉野川、四万十川とならぶ四国の代表河川であるとともに、日本一きれいな川として知られる。そのきれいな川の美しい素顔を、NHKの特別番組が伝えていた。題して「仁淀川 青の神秘」

ロシアの政党法が改正されて、この夏から許可要件が大幅に緩和されることに伴い、新しい政党が続々と生まれそうだ。この改正はロシアの民主化の象徴として位置付けられているが、皮肉なことにその結果生まれる政党の多くは極右政党になるだろうと、プラウダ英語版が予測している。

澤地久枝、半藤一利、戸高一成三氏による鼎談記録「日本海軍はなぜ過ったか」を読んだ。先般海軍反省会による会談の記録がNHKによって編集の上放映され、大きな反響を呼んだところだが、これはその反省会の記録の意義や問題点について、アジア・太平洋戦争にそれぞれの立場からかかわってきた三人に、語り合ってもらったものだ。

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フロリダ州のサンフォードで起きた黒人少年射殺事件が全米の黒人社会に怒りの渦を巻き起こしている。この事件はサンフォードのゲーテッド・コミュニティの自警団員を標榜するヒスパニック系の白人が、17歳の黒人少年を射殺したことについて、捜査当局が射殺した男を調査した結果、正当防衛であったとの男の言い分を認めて無罪にしたというものだ。

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イギリス映画「鉄の女の涙」のロシア海賊版が、当のイギリスで話題になっているそうだ。きっかけはガーディアンの記者がコメルサントの映画批評を読んだことだ。その批評の中で、サッチャー首相がインタビューに応えながら、「労働者階級を粉砕します、彼等は人間の屑です」といっている場面が取り上げられているが、そんな場面は原作のどこにも存在しないので不審に思ったら、この映画がサッチャーをことさらに誹謗するために作られた海賊版であることが判明したというのだ。Iron Lady lost in Russian translation Margaret Thatcher depicted as a Hitler-admiring leader who wants to destroy the working class in a pirated version of the film Kevin O'Flynn

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十字架を担うキリストの像は中世末期の画家が好んで取り上げたテーマだ。ボスも少なくとも三点描いている。そのなかで最も初期のものと思われるのがこの作品、もともとは三連式の祭壇画の左翼だったのではないかと推測されている。おそらく中央部にはキリストの磔刑のシーン、右翼部にはキリストの埋葬あるいは昇天のシーンが描かれていたはずだという。

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イギリス映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」を見た。メリル・ストリープ演じるところのサッチャー女史の生き方が話題になり、Newsweek なども大きくとりあげていたこともあって、気になっていた映画だ。果して、そこそこに面白かった。

ユニークなシェイクスピア研究で知られるT.M.W.ティリアードは、シェイクスピアが生きていたエリザベス朝時代が、プロテスタンティズムの二つの興隆の間にはさまった非宗教的な時代であるとする一般的な通念を排して、この時代を中世的な世界像との連続した層のもとにとらえるべきだと主張する。

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Newsweek の最新号が、Mad Men goes back to the Office と題して、1960年代を回顧する特集を組んでいる。「マッド・メン」とはアメリカの人気テレビ番組で、1960年代を舞台にして、当時のアメリカ社会を生き生きと再現したものだ。2007年の夏に放送を開始し、これまでに4シリーズが放送されたが、その5シリーズ目が始まるにあたって、この特集を組んだというわけだ。

小野善康氏が展開する国債論は非常にユニークだ。国債というものは、現役世代にとっては国の借金が増えて国家経済が危うくなることを意味し、将来の世代にとっては過去のツケを支払わせられるという点で、世代間の対立の種になる、といった理解が一般的だが、小野氏はそれを否定し、国債というものは、国民経済の中で右から左へとお金を移動させるだけで、国民経済全体にとってはプラスにもマイナスにもならない、また将来世代へのツケまわしも、必ずしも起きるとは限らない、と主張する。こうした主張は従来の経済理論とはあまりにもかけ離れているので、筆者の友人で経済学を研究している男などは、奇矯な理屈だと批判している。

ロベール・デスノス「お利口さんのおとぎ歌」から「カッコウ(Le Coucou)」(壺齋散人訳)

  四月がやってきたら
  朝から晩まで一日中
  カッコウの歌を聴こうよ

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ダイオウホオズキイカは、ダイオウイカと並んで無脊椎動物の中で最大の大きさを誇る。全長は12~14メートルにもなるが、体長はともかく目玉の大きさも度肝を抜く。直径27センチの個体もあったというから、それこそサッカーボールのような大きさだ。

青豆は女友達に恵まれなかった。少女時代にできたたったひとりの友達は、結婚後マゾヒストの夫の暴力に耐えられなくなって、首をくくって自殺した。30歳になって、もうひとりの心許せる女友達ができたが、彼女は渋谷のホテルで全裸のまま殺されてしまうのだ。両手に手錠をはめられたまま。恐らくはサドマゾゲームの調子が狂って。

蘇軾の題詩「王定國の藏する所の<煙江疊嶂圖>に書す」(壺齋散人注)

  江上愁心千疊山    江上の愁心 千疊の山
  浮空積翠如雲煙    空に浮かべる積翠は雲煙の如し
  山耶雲耶遠莫知    山か 雲か 遠くして知る莫し
  煙空雲散山依然    煙空しく 雲散じて 山依然たり

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アメリカの映画俳優フランク・ランジェラ(Frank Langella)が最近出版した回想録の中で、晩年のリタ・ヘイワース(Rita Hayworth)と共演した思い出を書いている部分を、Newsweek の最新号が掲載している。Don't stare at me, Baby. You can see me in the Movies. Rita Hayworth could not remember his name, but Frank Langella has never forgotten her.

小野善康著「景気と経済政策」(岩波新書)を読んだ。小野さんの経済学の特色がコンパクトにまとめられていて、非常に啓発された。その特色とは、供給側の経済学と需要側の経済学という一見対立関係にある二つの学説を、どちらかを絶対化するのではなく、それぞれに応分の価値を認めようというものだ。そして平成不況と呼ばれるような、長くて深刻な不況局面においては、需要側の経済学により多くの出番がある、小野さんはそう考えるのだ。

NHKの特別報道番組「東京大空襲」に触発されて、早乙女勝元さんの「東京大空襲」(岩波新書)を三十数年ぶりに読み返した。早乙女さんがこの本を書いたのは1970年というから戦後25年がたっていたわけだが、その時点でも、この歴史的な事件についての調査は殆ど進んでおらず、全容の把握が困難な中で、早乙女さんは奇跡的に生き残った人々の記憶を頼りに、この空襲がどんなものだったか、再現して見せた。初めて読んだ時も衝撃をうけたが、今読んでも身の毛がよだつような興奮を覚える。

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東京大空襲を記録した写真583枚が文京区の民家から出てきたといって、NHKがその内容を紹介する番組を組んだ。(NHKスペシャル「東京大空襲 583枚未公開写真」)

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「この人を見よ」と題したボスの二枚目の絵は、トルネイの考証によれば、もっと大きな絵の一部だったらしい。他の部分がどのようなものだったが、今となってはまったくわからないが、残されたこの部分だけでも、それなりに完結した世界を描き出しているといえる。

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イスラエルのネタニアフ首相は、アメリカ訪問から帰ると早々、国内向けに訪問の成果を誇示した。成果は二つあった、と彼は言った。一つはイランによる核開発を、国際社会を脅かす最大の脅威と、アメリカに認識させたこと、もうひとつは、イランによる核攻撃から自国を防衛するために、イラクに対して先制攻撃をする権利をアメリカに認めさせたこと、このふたつだ。

「ペリクリーズ」以下のシェイクスピアの最晩年の作品群をロマンス劇に分類するのが、今日では当たり前のことになっているが、それはシェイクスピア自身が明示的に意図したものではない。エドワード・ダウデンが1875年に著した「シェイクスピア論(Shakespeare: A Critical Study of His Mind and Art)」の中で、この言葉を用いたのが始まりだ。それまでは、今日ロマンス劇と云われる「ペリクリーズ」以下の四作品は、喜劇に分類されていた。

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重慶市のトップ(書記)でかつ中国共産党中央委員を務め、習近平とともに中国の次の世代の最高指導者候補としてみられていた薄熙来(Bo Xilai) が事実上失脚した。重慶市トップの役職を解かれたのだ。中央委員の役職はそのままだが、これも近いうちにはく奪されるだろうと推測されている。

ロベール・デスノス「お利口さんのおとぎ歌」から「カワカマス(Le Brochet)」(壺齋散人訳)

  カワカマスは
  とんがり口だよ
  どこだってとんでく
  ガンジスやナイル
  タホやティベーレ
  揚子江にだって
  気に入ったところなら
  いつでもとんでくんだ

原始力事故に対応する防災指針について、国の原子力安全委員会が2006年のIAEAによる改訂作業にあわせて改定しようとしたところ、原子力安全・保安院が強力に抵抗し、改定が見送られていたと、朝日新聞の夕刊(3月15日)が報じている。本当のことだとしたら、日本の原子力ムラの、指摘されているような犯罪的な体質が、改めて暴露されたということになる。

青豆は30歳の成熟した女であるし、無論男とのセックス経験もある。だから処女ではない。その青豆が妊娠した。だが青豆には、その前後男とセックスした記憶がない、自分の子宮が精子を受け入れたという感覚もない。それなのになぜ妊娠できたのか。しかも青豆は自分の子宮の中に宿った小さな命は、思い人である天吾の子だと、直感する。根拠はない、それは啓示のようなものなのだ。

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中国料理の英語表記にはこれまで基準がなく、各店の自主性に任されてきた。そのため、外国人にとっては店によって名前が異なるのが不便だったことと、中にはとんでもない訳し方をして、外国人を悩ませてきた例もあった。そこで、北京市の外事弁公室と市民講外語弁公室が、「中華料理メニュー英訳法」を共同出版し、2158種類の中華料理に正式な「英語名」をつけたそうだ。

蘇軾の七言絶句「李世南畫く所の秋景に書す二首(其一)」(壺齋散人注)

  野水參差落漲痕  野水參差として漲痕落つ
  疏林攲倒出霜根  疏林攲倒して霜根出づ
  扁舟一櫂歸何處  扁舟 一櫂 何れの處へか歸る
  家在江南黃葉村  家は江南黃葉の村に在り

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トビウオは世界中の温帯の海に分布し、50種類ほどが確認されている。そのうち日本近海には30種類が生息している。伊豆諸島ではこれをとらえて「くさや」という保存食にしているが、匂いが強烈なため、好き嫌いが分かれる。筆者などは大好物のひとつだ。

東条英機は評価の揺れの激しい政治家である。プラスの方向に評価する者は、彼の実践力とまじめな性格を強調する。昭和天皇が東条に好意的だったことは良く知られているが、それは天皇が東条のまじめさを評価したからだった。

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中世末期の宗教画にとって最も人気のあったテーマはキリストの受難であるが、キリスト誕生を取り上げた「東方三賢王の礼拝」も多くの画家によって描かれた。ボスにも少なくとも二作ある。ここにある絵はボスの初期に属すると思われる作品だ。

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写真(TIMEから)は、ロンドンの伝統ある「出入り口クラブ(In & Out Club)」の、結成150周年記念パレードの模様だ。高齢の会員たちが、シルクハットにアンブレラの組み合わせで、セント・ジェームズ公園を闊歩しているところだ。

山口二郎氏は日本の政治にも英米のような政権交代が実現されることを期待して、自民党に代わる政権の担い手として民主党に肩入れしてきた。その期待が実現し、2009年の総選挙で民主党が自民党を破って政権についた。

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このグロテスクな生き物は、アナゴのようにも見えるが、ラブカ(Frilled Shark)というサメの仲間だ。普段は海面下1500メートルまでの深海底に生息しているので、人間とはめったに鉢合わせしない。

「テンペスト」には二つの結末がある。劇内部での結末と、劇外での結末だ。両方とも主人公のプロスペロの言葉によって導かれる。しかし劇内部の結末で語られる言葉と、劇外の結末(劇全体のエピローグ)で語られる言葉は意味合いが異なっている。

小野善康氏はユニークな不況動学論を展開しているそうだが、その理論はケインズ理論の批判的検討を通して生まれてきたようだ。この本は、氏のケインズ批判の要点と、それを踏まえた上での不況克服のための処方箋を示している。非常に薀蓄のある議論だ。

ロベール・デスノス「お利口さんのおとぎ歌」から「刷毛(Le Blaireau)」(壺齋散人訳)

  ひげを生やしたいけど
  刷毛でひげを作ろうか
  それともルバーブで作ろうか
  ネギのひげで作ろうか

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写真(ナショナル・ジオグラフィックから)のヘビはブラックマンバ(Black Mamba)、南アフリカから東アフリカのサバンナ地帯に生息するヘビだ。コブラの仲間で、その毒の強さは最大級のもの、もしあなたがこいつに噛まれたら、対抗力のある血清を速やかに注射しない限り、20分以内には確実に死ぬとされる、超猛毒ヘビだ。

村上春樹の小説「1Q84」は、ふかえりという謎めいた少女が生み出した「空気さなぎ」という物語を、主人公である天吾が文学作品として読みやすく改作することから始まる。その作品の内容は、はじめのうちは読者に明示されないが、単なる架空の物語ではなく現実世界との接点を持っているらしいことが暗示される。やがて、1Q84という世界は、この空気さなぎに描かれた世界と異ならないのだということが開示される。つまり主人公たちはいつの間にか、空気さなぎで描かれた世界の中に迷い込んでしまったというわけなのである。

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東電の株主42人が、東電の新旧経営陣27人を相手取って株主代表訴訟を起こした。昨年11月に、事故に責任のある役員を訴えるよう、東電の監査役に求めたところ、東電側は今年1月に提訴しない方針を決めたので、代表訴訟を起こすこととしたそうだ。

首都高速道路会社が、老朽化した高速道路の大規模改修について検討する有識者会議を立ち上げ、年内にも改修計画をまとめたいと発表した。首都高速道路が最初に開通した1962年から今年でちょうど50年、現時点での総延長301キロのうち、約3割が40年以上経過し、30年以上を合わせると半分近くになるため、大規模改修計画の策定が必要との、国土交通省の問題提起をうけたものだ。

蘇軾は画家としても一流だった。北宋画の巨人として米芾と並び称される。その作風は幽玄を描いた水墨画である。士人画あるいは士大夫画と呼ばれることもある。要するに士大夫の画業ということである。

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御岳駅で下りて河鹿園の入り口に着くと、何々様御一行大歓迎と大書されている。わずか三人で御一行でもないだろうが、悪い気はしない。中から女将が出てきて、座敷へ案内してくれる。多摩川の渓谷が一望できるところだ。

旧厚生省によれば、日中戦争の発生から敗戦までの日本人の戦没者数は、軍人、軍属などが約230万人、外地の一般邦人が約30万人、空襲などによる国内の戦災死没者が約50万人、あわせて約310万人である。この数字の中には、朝鮮人。台湾人の軍人、軍属の戦没者約5万人も含まれている。

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豊穣たる熟女たちと青梅の吉野梅郷を散策した。昨年の暮に西銀座で忘年会をした際、暖かくなって梅の花が咲いたら、みんなで見に行きましょうよと語り合ったことがあったが、その約束が実現した次第だ。前回横浜三溪園の梅を見たときには、梅の花はほぼ散りかけ、しかも後半はあの大地震にまきこまれて、大変な目にあったけれど、今度こそは心置きなく、花を愛でつつ散策を楽しみたいものだわ、と彼女らはいうのだった。

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同時代の多くの画家と同じように、ボスもまた宗教画の制作から、画業を始めたと考えられる。キリストの受難や聖人たちの事績など、聖書に題材をとった写実的な絵画が、当時の画家たちの主な仕事であった。ファン・エイクのようにブルジョワの肖像画を描くような画家がいなかったわけではないが、やはり絵の主流は宗教画だっただろう。

「北朝鮮は、いま」(岩波新書)は、北朝鮮の経済体制の特徴についての簡単な言及と、現在北朝鮮が置かれている困難な状況について、概括的な説明を行っている。

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ボスの大作「悦楽の園」の一部をもとに、水彩画を描いて楽しんでみた。鳥たちとそれに乗っかった人間たちの群れに、白いワンピースを着た少女を組み合わせたものだが、大した意図があるわけでも無い。ただ無邪気なコーディネーションを楽しんでいるだけだ。

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昨日(3月2日)の朝日新聞夕刊に、プーチンが北方領土問題の解決に強い意志を示したという旨の記事が出てオヤと思った。プーチンの発言は3月1日に行われた記者会見の席上だったという。3月4日には大統領選がある。プーチンはその選挙に勝つことを当然の前提として、自分が大統領になったら、北方領土問題を、日露両国相互が受け入れられる内容で決着させ、日露関係の強化を図っていきたい、そう語ったというのだ。日ロ間に領土問題は存在しない、といっていたメドヴェージェフとは大きく異なるものだ。

テンペストに出てくる空気の妖精アリエルは、「真夏の夜の夢」にでてくる妖精パックとよく似ている。実際シェイクスピアが妖精として登場させるのは、この二人だけなのだ。

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北朝鮮研究学会編、石坂浩一監訳「北朝鮮は、いま」(岩波新書)を読んだ。韓国の北朝鮮問題専門家集団が、金正日時代における北朝鮮の、政治、経済、社会の諸相について、それぞれ持ち寄った論考をまとめたものだ。最近の北朝鮮事情を理解するうえで、基礎的な情報をもたらしてくれる。

ロベール・デスノス「お利口さんのおとぎ歌」から「亀(La Tortue)」(壺齋散人訳)

  僕は亀だよ かっこいいだろ
  羽があったらもっといい
  そうすればひばりのまねができる
  え? 何だって?

猛禽類の表情

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写真(The Guardianから)は、猛禽類の鳥(鷹と思われる)が鶏を飲みこんだした瞬間をとらえたもの。イギリスの素人写真家ネーザン・デーヴィスさんが、根気よく待ち続けていた果ての、一瞬のシャッターチャンスを生かした成果だ。

村上春樹の小説の題名「1Q84」からオーウェルの小説「1984年」を想起したのは筆者だけではなかっただろう。小説の中で作者自身がそのことをほのめかしているから、あながち的外れな受け取り方ではない。なにしろオーウェルの「1984年」というタイトルは、20世紀に生きた人類全員にとって共通の強迫観念といってもよかった。それが21世紀に生きている人類の一員である筆者などに、いまだ強烈なインパクトとなって残っている所以だ。



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