世界情勢を読む


南仏の海岸では、近年目立った変化が現れているそうだ。かつてはビキニのブラジャー部分を捨て去って、トップレスの裸体に近い女性が海岸を埋め尽くしていたものだが、今ではそうした女性は少数派になり、普通の水着かせいぜいビキニ姿の女性ばかりが目立つようになってきたというのだ。

先稿で第二次世界大戦後ソ連に抑留された日本人捕虜の記録について語ったが、ソ連が抑留して強制労働に従事させた人々は日本人だけではなかった。ドイツ人を中心に、リトアニア、ラトヴィア、エストニアの反ソ的な人々を含め、最盛期の1947年には900万人に上る人々が、強制労働所にいたとされている。

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第二次世界大戦後、ソ連によってシベリアその他の強制収容所に抑留された日本人戦争捕虜の記録760000点が、モスクワの国立公文書館で見つかった。資料はカードの形になっており、一枚のカードにはひとりの人間に関するさまざまデータ(抑留日時、死亡時期、埋葬の場所など)が記されている。これらは1991年の日露間の協定に基づき、近く日本政府に送られるという。

今回のウィグルの暴動をめぐって、レビヤ・カーディル Rebiya Kadeerという60歳の女性が俄然クローズアップされた。中国政府が暴動の扇動者として名指しで非難したこともさることながら、ウィグル人の地位向上に尽くしてきた彼女の活動歴が改めて光を浴びたからだ。彼女は現在アメリカに亡命しているが、ウィグル人の間ではウィグルの母として尊敬を集めているという。

新疆ウィグル地区のウルムチで五日発生した、ウィグル人と漢民族の間の流血の暴動事件は、中国政府によって当初80人の死者を出したと発表されたが、その後その数は倍以上に膨らんだ。負傷者の数はさらに数倍に上るとされる。

ポール・クルーグマンがニューヨーク・タイムズのコラムの中で、アメリカの極右過激派の最近の動きについて警鐘を鳴らしている。連邦公安局のレポートを引き合いに出しながら、最近のアメリカは1990年台前半と似ているところがあるというのだ。

今年は1989年におきた天安門事件から20年目の年だ。天安門広場を埋め尽くした民衆に軍が流血の弾圧を加えたのは6月4日のことだったが、その記念すべき日をはさんで、西側諸国では、この事件の意味を改めて検証し、中国に対して、大国としてふさわしい民主化への努力を求める声があがっている。

先のクライスラーの破産に続いて、GMの破産も確定的になってきた。政府が定めた期限以内に、債権者との間で債権の整理交渉が成功させられなかったからだ。これでGMは、政府のほぼ全面的な管理下で、連邦破産法にもとづく再建手続きに入る見通しだ。

深刻な経営危機に直面しているアメリカの自動車メーカー・ビッグスリーのうちクライスラーが破産した。政府が公的援助を継続する条件として突きつけていた再建のためのプラン達成に見通しがつかず、オバマ大統領自らが引導を渡した形になった。

アメリカはいま、空前の釣りブームだそうだ。詳しい統計はまだ出てないが、スポーツ洋品店や餌の販売店の実感にもとづけば、今年の冬は昨年に比較して数十パーセント増の売り上げを記録しているという。

中国四川省で巨大地震が発生し、多くの人が死んだのをはじめ、甚大な被害をもたらしたのは昨年の5月のことだ。何しろ87000人が死亡し、そのうちの19000人は子どもだというのだ。それ以来復旧は進められているようだが、全面倒壊して多くの児童・生徒が犠牲になった学校は、まだ瓦礫の山のまま残っており、その下には発見されていない子どもの遺体も埋まったままだという。

魔女の火あぶりなどというと、中世ヨーロッパの森の奥から遠くこだましてくる言葉のように聞こえるが、21世紀の地球上にも、いまだに同じことが行われている所があると聞き、驚いた。

ブッシュ政権が退場を目前に控え、これまで8年間にわたる自らの政権運営を総括したうえで、それがあらゆる意味で米国及び世界の利益にかなったものであったことを自画自賛し、世界中の顰蹙を買ったのはつい最近のことだ。

アメリカ大統領選 Election 2008は一年近くにわたる長丁場の戦いの末、民主党のバラク・オバマが勝利した。アメリカの長い歴史の中で、黒人が大統領になるのは初めてのことだ。それだけにアメリカ国民はもとより世界中の人々が時代の大きな変化を感じ取ったに違いない。

世界金融危機でアイスランド経済が破綻し、ついに国を挙げて身売りする話まで飛び出したが、旧来の同盟国はどこも自分のことで精一杯なのか、困っている隣人を助けようとするものはなかなか現れなかった。そんなところに、思いがけぬ方向から救いの手が差し伸べられた。ロシアである。

グルジアで紛争が再燃している。南オセチアの分離独立運動に対してグルジア軍が介入し、首都のツヒンヴァリを中心に武力衝突が勃発しているのだ。この衝突に、コーカサスのコサックたちが多数加わり、南オセチア側にたって戦闘を繰り広げているようだ。

旧ソ連の反体制作家として知られるアレクサンドル・ソルジェニーツインが死んだ。89歳だった。「イヴァン・デニーソヴィッチの一日」、「ガン病棟」、「収容所群島」などの作品は、旧ソ連共産主義体制に潜む非人間性を暴いたものだが、同時に人間の普遍的な感情を描き出したものとして、世界の文学史上において特別の位置を占めるに値する。

アメリカ下院議会が、アフリカ系市民に対して公式に謝罪する決議を採択した。「アフリカ系市民及び彼らの祖先に対して、奴隷制やジム・クロウ法を通じてなされた数々の不当な仕打ちについて、国民を代表して謝罪する。」というものである。

雑誌「ニューヨーカー」を舞台に活躍するジャーナリスト、ジェーン・メイヤーJane Mayerの最新の著作 “The Dark Side : The Inside Story of How the War on Terror turned into a War on American Ideals” が大きな関心を呼んでいる。アメリカの対テロ戦争で生じた異常な人権侵害を解明した著作だ。


インド北部ニューデリー近くのサイニという村で、双面の女の子が生まれたそうだ。ラリと名付けられたこの子は、頭部に二つの顔が並んでついており、頬っぺたのところを境界線にして、左右に二つずつの目、一づつの鼻と口がそれぞれ対称をなしてついている。医学的には Craniofacial Duplication (頭蓋顔面複写)というのだそうだが、発生の確率は非常にまれで、近年の報告例はほとんどない。

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