世界情勢を読む


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ストックホルム国際平和研究所Stockholm International Peace Research Instituteによれば、アジアは今日の世界の中で最も活発に軍備拡大が行われている地域だそうだ。2005年から2009年までの5年間で、軍事予算の総額は倍増し、その勢いは2010年から2011年にかけても止まらない見通しだ。欧米やロシアの死の商人たちにとって、最大のお得意先というわけだ。

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北朝鮮による韓国領ヨンビョン島への砲撃事件は、周辺諸国は無論、世界中を驚かせた。国際法上の常識からいえば、他国の領土そのものに攻撃を加えるわけであるから、紛れもない戦争行為だ。関係国の対応いかんによっては、本格的な戦争に発展する可能性がある。

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巨大地震のダメージからまだ回復していないハイチでコレラが蔓延し、これまでに12,000人が死亡、さらに20,000人近い患者が生死の境をさまよっている。こうした事態の中で、ハイチの人びとは、国連ハイチ安定化ミッションのネパール部隊がコレラ菌を持ち込んだとして、ネパール部隊を直接攻撃したほか、ミッション全体に対しても敵対的な態度をとり、首都ポルト・プランス始め各地で暴動を起こす騒ぎに発展した。

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死の商人として、世界中からマークされていたロシア人ヴィクトル・ブートВиктор Бут がタイの警察当局によって逮捕されたのは2008年3月のこと、アメリカからの強い要請に基づくものだった。アメリカはこの人物が、世界中のテロリストとつながりを持ち、アメリカの安全を脅かす危険な人物だとして、身柄の拘束に躍起になっていたのだった。

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NATOといえば東西冷戦を象徴するようなものだった。ソ連の軍事的な脅威に対抗するために、アメリカが西欧諸国と一緒になって作り上げた仕組みだ。ところが冷戦が終わった今になっても、NATOは生き続けている。ソ連の脅威はなくなっても、ロシアは依然油断のならない存在だし、近年はイスラムパワーやテロ国家の脅威が生まれ、それに対して従来の同盟国が一致してあたることの必要性もあるというわけだ。

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先稿「ウクライナにおけるホロコースト」のなかで、ナチスによるユダヤ人虐殺がウクライナにおいても広範に行われ、殺されたものの数は150万人にものぼったことを紹介した。ホロコーストはウクライナの隣国ルーマニアにおいても大規模に行われたが、ウクライナと異なるところは、ナチスではなく、ルーマニア人自身が迫害者だったことだ。その概要を、TIMEの最新の記事が伝えている。A Mass Grave Raises Ghosts of Romania's Holocaust Past By Rupert Wolfe Murray:TIME

マンションの中庭を通りがかった一人の男に複数の男が襲いかかり、倒れて動けなくなったその男を、棍棒のようなもので激しく打ち続ける、防犯ビデオがとらえていたこの恐ろしい映像が、どうしたわけかロシアの国営テレビで放映されるや、YouTubeを通じて世界中に広まった。

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ロシア人スパイ団10人がアメリカの公安当局に逮捕された上、国外追放された事件について、ロシアの有力紙コメルサントが、ロシア人の二重スパイ、シチェルバーコフの仕業だと報道したのは11日のこと。これに関心を示した西側の報道部隊が、G20に出席していたメドヴェージェフを捕まえて、あれやこれやと質問攻めにした。

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ミャンマー民主化運動のシンボル、アウン・サン・スー・チー女史が、7年半に及ぶ自宅軟禁から解放され、1000人の支持者を前に演説した。そのなかでスー・チー女史は、自分は軍事政権を憎んではおらず、話し合いにも応じる用意があると訴え、今後のミャンマー民主化に向けての決意を語った。

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世界文学のうちでも、ロシア文学はもっともユーモア感覚に満ちたものだった。ゴーゴリの一連の作品は、これが人間の生き様かと、深刻に考えさせられるものがある一方、人をして哄笑させずにはいない、底抜けのユーモアに彩られている。

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軍事政権下のミャンマーで20年ぶりに総選挙が行われた。とはいっても、民主主義のルールに照らして問題の多い選挙だった。結果が出るには数日かかるといわれるが、軍が主体の政治構造に、基本的な変化は生じないだろうと予想されている。

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ミハイル・ホドルコフスキー Михаил Борисович Ходорковский(上の写真:AP提供)といえば、ソ連崩壊後に登場した多くの実業家の中でひときわ精彩を放ち、新たな時代のチャンピオンとも言われた人物だが、その男を巡る裁判が大詰めを迎え、俄に内外の注目を浴びている。というのもホドルコフスキーは、裁判の中で一貫して権力批判を繰り返し、ロシアにおいては人権も法的正義も保障されていないと訴え続けてきたからだ。

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米経済誌フォーブズが毎年発表している世界で最も影響力のある人物に、今年は胡錦濤が選ばれた。理由は、「世界人口の5分の1に及ぶ13億人の国民に対し、独裁に近い支配力を行使している」こと、また反体制派の拘束やインターネットの検閲も思いのままだとする一方、中国の経済規模が日本を抜き、 25年後には米国をかわして世界最大になる見通しであることなどだという。

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今年の米中間選挙は、大統領就任後2年を経たオバマにとって厳しいものとなった。共和党が下院で多数を制し、上院でも改選議席の三分の二を獲得、民主党は歴史的といってよい敗北を喫した。この結果については、さすがのオバマ大統領も、厳粛に受け止めざるをえなかったようだ。選挙後の記者会見の席上、感想を問われて It Feels Bad と答え、多くの同僚議員の敗退に遺憾の意を表明した。

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ブラジルに初の女性大統領が誕生した。有権者の93パーセントが投票した今回の大統領選挙で、与党労働党の女性候補者ディルマ・ルセフDilma Rousseffが、野党社会民主党の候補者ホセ・セラを大差(55%vs45%)で破り、当選したのだ。

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前稿でアルゼンチン前大統領キルヒナーの突然の死について触れた。彼はもともと動脈硬化をわずらっていて、今年は二度も手術を受けていた。いつ死んでも不思議ではないともいわれていた。休養が必要なときにがむしゃらに働いたおかげで命を縮めたわけだ。

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半年間にわたって繰広がれてきた上海万博が10月いっぱいで終了した。期間中の入場者数7200万人は、1970年の大阪万博が記録した6400万人を突破した。期間中大勢の中国人たちがバスツアーを組んで見学にやってきたそうだが、13億人の人口規模からすると、もっと多くの人がやってきてもおかしくはなかったところだ。

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アルゼンチンの前大統領ネストル・キルヒナー Nestor Kirchner が急死した。死因は心不全、自宅でくつろいでいたところ胸の痛みを訴え、病院に運ばれたものの、そのまま天に召されたという。まだ60歳の若さだった。

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ニューズウィークのロシア版 Русский NEWSWEEK が廃刊になった。2004年に創刊されて以来、ある意味でロシアの良心を代表してきたとされる雑誌が廃刊になった理由は、表向きには経済的なものだ。編集者のミハイル・フィッシュマンによれば、創刊以来黒字だったことはなかった、赤字を積み重ねてまでも、雑誌を出し続けるメリットがなくなったということだ。

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メドヴェージェフによって追放された前モスクワ市長ルシコフの後任には誰がなるか、いろいろな意味で注目を集めていたが、プーチンの腹心として知られるセルゲイ・ソビャーニン Сергей Семёнович Собянин が任命された。

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